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「深緑のガイドツアー@北野天満宮」を開催しました

6月18日(日)北野天満宮において、毎年恒例の「深緑のガイドツアー@北野天満宮」を開催しました。

今年は、前年度を超える多くの学生が参加をし、衣笠キャンパスに所属する学生のみならず、BKC(びわこ・くさつキャンパス)に所属する学生も数名参加をしており、学部や学年問わず、多くの学生が「北野天満宮」に興味を持っていることを肌で感じました。

午前10時頃、学生ガイドを先頭に、ツアーが始まりました。先ずは、閑院宮載仁親王御筆の「天満宮」の文字が目を引く一の鳥居を、一礼をしてくぐり、境内に入っていきました。

境内に入って、すぐ右手に見られるのが、北野天満宮の創建時からあると言われる「影向松(ようごうのまつ)」と呼ばれる松の木があります。冬の時期に、影向松に初雪が積った日の朝に斎行される「初雪祭」が行われ、初雪が積ると、御祭神である菅原道真公が降臨し、雪見を遊ばされ、歌を詠まれると伝わっており、筆や硯、短冊をお供えします。「初雪祭」に興味がある方は、ぜひ行ってみてください。

影向松を過ぎて、少し歩くと、「楼門」が見えてきました。楼門の上部に掛けられた額には、「文道大祖 風月本主」の文言が刻まれており、平安時代中期の学者・慶滋保胤(よししげのやすたね)、大江匡衡(おおえのまさひら)が菅原道真公を讃えた言葉だそうです。

         

楼門をくぐり抜け、右手には手水舎があります。ここで本ツアーの参加者が手を洗い、身と心を清めます。

その手水舎の近く(楼門を入ってすぐ前)に、「赤目牛」と呼ばれる、赤い目をした牛の像がありました。本ツアーの参加者の多くが、この牛の像に興味を持っているようでした。北野天満宮には、多数の牛の像が存在していますが、目が赤い像はこの『赤目牛』だけであり、一頭だけ目が赤くなった理由は、諸説ありますが、主人である菅原道真に対する忠義心によるものと言われています。受験生中心に人気があるようで、触ると頭がよくなるとされているそうなので、ぜひ触ってみてください。

その後、またしばらく歩くと、重要文化財に指定されている、「三光門」が見えてきます。この門をくぐり抜けると、御祭神である菅原道真公がおまつりされている御本殿が見えてきます。

そして、今回のメインイベントである、正式参拝(昇殿参拝)を行いました。普段は立ち入ることができない神域に昇殿して参拝をするという事もあり、各々が緊張した面持ちで御本殿に上がりました。お祓い(修祓)を受け、1番最初に本イベントへの参加を応募した学生が代表で、玉串奉奠をしました。代表となった方は、貴重な経験ができたと思うので、1つの思い出になったと思います。そして、授与品を頂き、正式参拝は終了しました。

そして、神職の方の貴重な話を聞かしていただきました。菅原道真公がどのような生涯を送ってきたのか、なぜ北野天満宮の御祭神となったのか、北野天満宮がこの場所に立地された理由など、多くの事を学ぶことができました。特に印象的だったのは、菅原道真=学問の神様という印象が強いですが、当初は「怨霊」として恐れられており、神社に祀り上げることによって、学問神という福の神へと変化させたという事でした。

さらに、宝物殿にも特別に無料で入らせていただき、古文書、書画、刀剣、蒔絵や金工、茶道具といった美術的にも価値の高い工芸品や「北野天神縁起絵巻 承久本」を代表とする絵巻物の数々を、学生は1つ1つ目に焼きつけていました。

そして、史跡御土居のもみじ苑に向かいました。こちらに関しても、今回は特別に無料で入ることができました。改めて、立命館大学の学生でよかったと感じます。

ここで解散となりましたが、学生の多くが足を運んだ場所は、紙屋橋にかかる朱塗りの鶯橋でした。青もみじが広がり、橋の下に流れる紙屋川の水面が緑色に染まっている様子は、格別の美しさと感じました。

最後に、今回のツアーを実りあるものにしてくれた学生ガイドのお二人には感謝しています。今回のツアーのタイトルが「深緑のガイドツアー@北野天満宮」であることから分かるように、単に北野天満宮を各々が散策するというものでなく、ガイドによるツアーというものが、今回のイベントの醍醐味の1つであり、かつ学びになる部分であったと思います。このイベントの為に、早くから念入りに企画や下調べを行い、当日その役割を全うした点において、非常によかったと思います。学生ガイドのお二人、お疲れ様でした。