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子ども対象企画「京せんす作りに挑戦」を開催しました

7月20日(土)に立命館大学衣笠キャンパスにて「京せんす作りに挑戦」を実施しました!

「京せんす」は今から1000年ほど前の平安時代に京都で生まれ、現代に続く非常に歴史のある京都の伝統工芸品です。今回はこの「京せんす」を株式会社清水商店の清水様等を講師としてお招きして、参加者の方々に作っていただきました。

朝早く、立命館大学のキャンパスに到着すると、すでに多くの親子が集まっていました。真夏の暑さの中、みんなワクワクしながら扇子を見て「あれ作るの?」と興奮気味。子供たちになぜ京せんす作りに来ようと思ったのかを聞いてみると、「チラシの龍がかっこよかったから」、「親が使ってて自分も欲しかったから」などといった声がありました。

イベントの最初は、講師の方々から扇子作りの道具や具体的な流れの説明がありました。扇子の完成には4、5日かかることや、芯紙の糊付けに使う刷毛は狸や狐の毛を使っているなんて話もありました。特に、江戸時代から同じ形の刃物を使っているという話には、子供達も親御さんも一緒になって「え、すごっ!」と驚きの声もありました。また、実際に職人の方が紙を切り落とす際に「音がいい」という子供もいたり子供ならではの率直な感想も耳にしました。

  

いよいよ制作作業が始まりました。京せんす作りは「地紙」、「折り」、「附け」という三つの作業工程を経て完成します。そして今回取り組むのは「付け」の作業でした。「地吹」という地紙に骨組みを差し込むための穴を作る作業。子供達は「これ、穴できてるん?」と苦戦しながらも、親御さんや講師の方々の協力により「空いた!空いた!」と穴ができてるのを見て大喜び。

  

次は「中入れ」という、広げた穴に骨組みを入る作業です。この細かい作業にみんな苦戦していて、話を聞いてみても「穴に骨を通すのが難しい!」と口々に言っていました。確かに、見ているだけでも細かくて難しそうでした。それでも何とか作りたいという、子供たちの真剣な表情と、小さな手で一生懸命作業している姿がとても印象的でした。

    

「糊乾燥」以降の作業は職人さんたちにバトンタッチです。子供たちは職人さんが糊付けをする様子を見ながら、自分の扇子がどんどん形になっていくのを楽しそうに見守っていました。乾かしている間に、展示されている色々な扇子に興味津々で、「なんで同じ白色のが何個もあるの?」といった質問や「この犬のかわいい」といった声などが色々飛び交っていました。職人さんたちは、子供たちの質問に丁寧に答えながら、扇子の魅力や歴史についても教えてくれました。

        

扇子が完成した後は、展示されていた扇子の解説や歴史のお話がありました。平安時代に使われていた「檜扇(ひおうぎ)」から、現代の京せんすに至るまでの歴史を学びました。また、将棋や囲碁、落語など、さまざまなシーンで使われる扇子の話もあり、子供たちは興味津々で聞いていました。
イベントの最後にはみんなで作った「京せんす」を持って集合写真を撮影しました。龍がかっこいいと言っていた子供は、「これ、かっこいい!」と自分の扇子に大満足でした。みんな、自分が作った扇子を手に持ち、嬉しそうに写真に写っていました。


今回の「京せんす作りに挑戦」は、多くの方々の協力のおかげで大成功に終わりました。株式会社清水商店の清水様等、そして子供たちのお手伝いをしてくださいました保護者の皆様、本当にありがとうございました。「京せんす」という京都の伝統工芸の魅力を再発見できた素晴らしい一日でした!