10月25日土曜日、総本山仁和寺にて2025年度「ご朱印帖を作ろう」が開催されました。少し肌寒い曇りの天気でしたが、小学生から高校生の14名にご参加いただきました。参加者の皆さんはそれぞれ、わくわくしている様子や少し緊張している様子が見られました。
受付を終えた参加者はさっそく会場の「大内の間」の前の方に置かれていた、ご朱印帖の表紙となる友禅紙を2枚選んでいました。たくさんの色や柄があるため悩んでいる様子がうかがえました。
今回イベントが行われた仁和寺は京都市右京区に位置する真言宗御室派の総本山です。境内には五重塔や国宝の金堂といった建築物が立ち並んでいます。平成6年に「古都京都の文化財」の1つとして世界遺産に登録された歴史ある寺院です。
ご朱印帖
まず初めに講師を務めてくださった、和文具製品を販売している尚雅堂の松尾様がご朱印帖作りを実践され、正麩糊を使った作り方を見させていただきました。近年はご朱印帖も一部機械化が進んでいるそうですが、まだまだ手作業も多いそうです。子供たちをはじめとして保護者の方々も興味津々な様子で講師の方が作られるところを見ていました。
ご朱印帖づくり体験
この正麩糊を使った作り方は初心者には難易度が高いということから、今回はスティックのりを使ってご朱印帖作りを行いました。まずはご朱印帖の中身となる本紙にのりを塗る作業を行いました。紙にはつるつるの面とざらざらの面があり、ざらざらの面の端にのりを塗っていきました。次に表紙となる台紙と最初に選んだ友禅紙を合わせて貼る作業を行いました。最後には表紙と本紙を貼り合わせて完成です。参加者の皆さんは講師の方の助けを受けながら、集中した面持ちで作業に取り組んでいました。
ボランティアガイドによる境内の散策
のりが乾くまでの間には立命館大学のボランティアガイドが参加者の皆さんに仁和寺の境内を案内しました。グループごとに境内を歩き、仁和寺について学びました。ガイドの方はクイズを織り交ぜながら解説を行っており、参加者の皆さんもクイズを楽しみながら解説を聞いていました。
ガイドによる案内が終わって戻ってきたら、作ったご朱印帖にさっそくご朱印を押しました。今回は自分でご朱印を押すことができるということで、参加者の皆さんはお手本を見ながら、慎重に作業を行っていました。それぞれ朱肉をつけすぎてしまったり、かすれてしまったりしていましたが、これも自分で押した思い出の1つとなるでしょう。
ありがとうございました
すべての工程が終わった後、参加者の方々にお話を聞いてみると、「難しかったけど楽しかった」や「表紙の台紙と友禅紙を合わせるときに中心に置くことに苦戦した」という声がありました。また「一昨年も参加して今回は2回目」という方や「他のイベントにも参加している」という方もいらっしゃいました。
こういった経験が皆さんにとって、ご朱印帖といった伝統工芸や仁和寺などの神社仏閣に興味を持つきっかけとなってくれたら良いなと思います。
ぜひ今回作ったご朱印帖を持って色々な神社仏閣を訪れてみてくださいね。
記事作成・写真提供:立命館大学・文学部・2回生
畑井晴香