「京うちわ」はその名の通り「うちわ」であるのですが、約700年も前から京都だけで作られてきた伝統工芸品の一つです。あちこちのうちわの良いところを集めてできたうちわなのだとか。そんな「京うちわ」を、塩見団扇株式会社の秋田様を講師としてお招きし、参加者の皆様に作っていただきました。
受付時間は9時30分~だったのですが、既に9時20分には参加者されるご家族の姿がちらほら。「楽しみ!!」という子供達の元気な声が聞こえてきて、こちらにもわくわくが伝わってきます。会場を見て「すごい!ここでやるの?」というような声も。
ここで少し会場としてお貸しいただいた妙心寺の大方丈(おおほうじょう)について簡単にご説明したいと思います。鎌倉時代の傑作であるご本尊を安置する仏間をはじめ、6室からなっており、江戸時代前期に建てられた歴史ある建物です。東西27m、南北20mもあります!そんな立派な建物なので、お子さんだけでなく保護者の皆様からも感嘆の声が漏れていました。「京うちわ」作りがはじまるまで、大方丈を見て回ったり、お庭をみたり、机に用意された京うちわ作りの道具を見たり、おしゃべりしたり、会場にはなごやかな雰囲気が流れていました。
「京うちわ」の表面となるのは妙心寺の管長様にお書きいただいた禅語で、今年の禅語は「山色清浄身」でした。これは今回ご法話いただいた妙心寺派専任布教師の今井昌秀様によると、蘇東坡(そとうば)と東林(とうりん)のお話からきたもので、「山の景色は仏様のお姿そのもの」という意味だそうです。「自然に対してきれいだな、気持ちいいなと快く思う素直な心は、最初から私たちに備わっているものだ」とご自身の経験なども交えながら、わかりやすくご説明いただきました。
いよいよ「京うちわ」作りがはじまります。
秋田様ご夫妻に「京うちわ」作りの工程ごとに説明していただき、実践、また次の工程へ、といった形で少しずつ製作していきます。
※実際のうちわ作りの様子は、7月12日に掲載予定です。