京都歴史回廊協議会

京都歴史回廊協議会 Kyoto Historic Corridor Association

お問い合わせ・資料請求

京都歴史回廊協議会 Kyoto Historic Corridor Association

第13回らくたび散歩「千代の古道を歩き旧嵯峨御所大本山大覚寺へ」を開催しました

10月9日(日)、第13回らくたび散歩(社会人対象事業)を実施しました。今回のテーマは「千代の古道を歩き旧嵯峨御所大本山大覚寺へ」。平安時代初期、「嵯峨御所」と呼ばれた嵯峨天皇の離宮には数多くの貴族が足しげく通いました。貴族たちが通った道は「千代の古道」として現在も残っており、道沿いには長い歴史を感じることができる史跡が多数あります。今回はそのような史跡を辿りながら、古に思いを馳せ、旧嵯峨御所大本山大覚寺まで歩きました。

JR嵯峨嵐山駅北口に集合した一行は、当会幹事で株式会社らくたび代表取締役の山村純也氏のご案内で「油掛地蔵」を訪問し、次に有栖川沿いを歩いてさらに東に向かい、千代の古道との合流点にある日像上人「安堵の塔」を訪問しました。その後、丸太町通りを渡って北上し真言宗御室派遍照寺を訪問しました。同寺は仁和寺を創建された宇多法皇の孫にあたられる寛朝僧正の創建。寛朝僧正は平将門の乱の平定、円融天皇の病気平癒等、様々な祈祷で成功を収めた法力の持ち主であったと伝えられています。ご利益を祈願して一同は山門を後にし、広沢の池へ向かいました。同池は古来「観月の名所」として知られ、池畔に立つと嵯峨野の山々を見渡すことができます。当日はあいにくの雨模様でしたが、愛宕山、小倉山、嵯峨野の山々を確認することができました。池畔にある兒(ちご)神社を経て、神社の西側の道を進むと千代の古道は田園地帯に入っていきました。稲刈りが終わった田んぼと盛りの過ぎた彼岸花を見ながら歩いていましたら、右前方に大沢の池が見えてきました。そして同池から流れ出る有栖川に掛かる橋を渡ると大覚寺の門前に出ました。大覚寺では初めに明智光秀の居城亀山城から移築されたと伝わる「明智門」の説明を受け、その後境内へ入り、宸殿(後水尾天皇から下賜された東福門院和子の女御御殿)、心経前殿(大覚寺の歴史上特に重要な役割を果たされた嵯峨天皇、弘法大師、後宇多天皇、恒寂入道親王の尊像を正面左右に安置。嵯峨天皇をはじめ歴代天皇の辰韓勅封般若心経が奉安された勅封心経殿を正面に拝する)、安井堂(後水尾天皇の尊像を安置)、そして最後に本堂を訪問しました。本堂ではライトアップされたご本尊である五大明王の幽玄なお姿に手を合わせ、本堂横で雨に煙る大沢の池を見ながら「観月の名所」、「春は桜、秋は紅葉の名所」であることや、池畔には「梅林」、「名古曾の滝」などがあること、そして嵯峨天皇が菊ヶ島に咲く菊を手折り、花瓶に挿されたことが華道「嵯峨御流」の発祥になったことなどを山村様からご紹介いただき、解散となりました。

次回らくたび散歩は、2023年3月に実施される予定です。コース及びテーマはあらためてご案内いたします。